Column

内海 政嘉

働きやすい職場をつくる

…自分の常識や固定観念で判断しない…

先日、ある会社でベテラン作業者が会社を辞めるといった出来事がありました。
会社にとって大きな損失であり、辞めた本人にとっても大変不幸な事でした。

辞められた理由は、毎日重い原料を持ち上げることにより、腰の痛みが増し作業を続けられないということでした。
部門長に対し、もう少し楽に作業ができるよう考えてほしいといった要望を何度か出されました。
部門長は、今の持ち上げ作業は避けられないし、作業負担を軽減する方法も考えられないといったことを繰り返され、その結果、辞める決意を固められたのでした。

私は辞められたことを知った時、部門長やリーダーに本当に改善ができないのかと尋ねたところ、「それだけはムリです」「それだけは考えられない」と繰り返されるだけでした。

私は、すぐに現場へ行き、持ち上げ作業の現状を確認しました。すると、私の中で、ハンドリフターを改良し活用することで人による持ち上げをなくし、楽に作業ができる方法が浮かんできました。
その方法を説明したところ、部門長とリーダーは目を白黒させて、すぐに実行しようということになりました。

なぜ、こんなことになったかというと、私にとってハンドリフターの活用はすぐに思いつくことであっても、この職場ではリフターを一度も使ったことがないため、思い浮かばなかったからです。
つまり、お二人にとっては、持ち上げ作業は避けられないといったことが、常識や固定概念になっていたのです。

働きやすい職場をつくる意味でも、きつい、苦しい、しんどいといった社員の声をとらえ、「できない」と考えるのではなく、「どうすればできるか」といった視点に立ち、持ち上げ作業をなくす工夫を考えてみる。
機械に置き換えられないかと調べてみる。時には周りの知恵を借りることなど、柔軟な考えや発想を持つことです。
決して、自分の常識や固定観念でできないと判断しないことが大切です。

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