コラム
Column
内海 政嘉「自主改善」の実践と体験を通じて人は育つ
自主改善とは
「自主改善」とは、部門目標を達成するための取り組みのことです。
ここでの部門目標とは、ビジョンを実現するための各部門における1年間の取り組みを計画にしたものを言います。
*ビジョン:経営者が示した3年後の会社のあるべき姿
具体的には、
・部門目標の作成
・部門目標を達成するための施策の作成
・部門目標を達成するための全員参加の改善活動
を指します。
前回のコラムでもお伝えしたように、通常の改善活動と自主改善の大きな違いは、改善への取り組み方や進め方にあります。
基本的コンセプトは、人から言われてやるのではなく、自らが考え行動していくこと。
・部門目標は部門長が中心になって作成
・部門目標を達成するための施策は職場のリーダー中心に作成
・改善活動で生じる問題は担当者が解決策を考え行動する
といったことです。
仕事を任せ・考えさせることで成長する
以前、品質改善に取り組んでいる食品メーカーの部門長から
「職場のリーダーは言われたことしかしない」
「そのため、仕事でのミスや不良品が減らない」
といった話しがありました。
話をよく聞いてみると、部門長はとても優秀な方で、何をするにしても部下に指示をしてきたのです。
人は指示されたことを一生懸命こなすだけで、育つ訳ではありません。
上司や先輩から教わったこと、研修で学んだことなど、今までに得た知識を活かしてこそ、人は育つのです。
知識を活かすには、実際に自らが実践し体験を積み重ねることにつきます。
そのために大切なことは、指示するのではなく部下を信じて任せること。
任せた最初の頃は、目標や施策が稚拙であったり、問題の解決策が当を得なかったりもしました。
しかし、大事なことを任されたら考えます。
考え、実行を繰り返す中で、目標や施策は驚くほど具体的なものへと変化します。
また、言われてではなく、自分たちで考え成果を上げることでモチベーションは高まり、大きな自信につながります。
そうした中、リーダーとしての責任感は高まり、目標達成に向けた粘り強い姿勢に変わります。
部下への積極的な関わりなど、見違えるほど成長する人も出てきました。
是非、自主改善に取り組むことで、自社に必要な本物のリーダーを育てていただきたいです。