Column

清水 泰史

評価制度とヤル気の向上

前回は『評価制度の目的』に関してお話しました。
評価制度の目的は、人財像の明確化と、人財育成であることを述べました。

今回は仕事の『ヤル気』と、評価制度の関係についてお話します。

モチベーションの理論に、アメリカの臨床心理学者F・ハーズバーグが提唱した2要因理論があります。
2要因とは、満足と不満足のことで、満足感は仕事を行なうときに感じ、不満足感は職場環境や処遇などによって感じるとされています。

もう少し詳しく説明しますと、満足要因は仕事に関する要因で、仕事で上司に認められるとか、仕事を通じて達成や成長を感じたときに、ヤル気が増大します。
不満足要因は、職場環境や会社の方針、処遇や報酬に関する要因で、これらの要因に不足を感じたときに、ヤル気が減少します。

評価制度は賃金や処遇を見直すという観点からは、不満足要因ですが、仕事の成果が認められるという観点からは、満足要因となります。
仕事の成果が上司に認められて達成感や成長感を感じることは、満足要因が増大します。
その結果、処遇や報酬も増加すると、不満足要因が減少し、相乗効果で好循環となります。

以上の説明のように、評価制度はヤル気増大を支援する役割があります。

このように、評価制度がヤル気増大を支援するにもかかわらず、制度自体が存在しない会社や、存在しても公開されておらず、社員がその存在を知らない会社も、多く見られます。
それでは社員の努力が明らかになることも少なく、ヤル気向上につながりません。
さらに、上司が部下をほめることは、容易なようですが、現実的にはできていないのが実情のようです。

ゆえに、評価制度を仕事での成果を認めることや、達成感が認識できるツールとして活用することが望まれます。
これは評価制度の目的である、人財育成としての活用方法です。

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