Column

清水 泰史

人を育てる人事制度

前回はヤル気を高める人事制度について話しました。
前回でも、人材育成の観点で人事制度を運用することが重要であることを述べています。今回はさらに人を育てる人事制度について、3つのポイントをお話します。

1つ目は、評価を行なうためには、会社が求める人材像を明らかにすることです。

評価は何らかの基準に基づいて行なわれています。本来その基準が会社の求める人材像となります。
しかし実際は、基準自体があいまいであったり、基準を公開しなかったり、不透明なことが多いようです。
このような状況であれば、評価される側は、なにを目標として努力をすれば評価されるのか、理解できないでしょう。

ゆえに評価を行なう前に、評価する項目や具体的な評価の視点を極力多く示す必要があります。
開示された評価に関する情報が、会社の求める人材像となります。
評価される側は、この人材像を自分の目標とすれば良いのです。

2つ目は、評価結果を教育・訓練に活かすことです。

評価のための評価であれば、評価することが目的でしょうが、人を育成するための評価であれば、最終的には、評価結果を教育・訓練に結びつけることが重要となります。
評価明らかになった『強みと弱み』や、『得意不得意』を次の評価までに改善されるように、教育・訓練を実施します。
業務の中で上司や先輩が指導を行なうのが一般的でしょうが、外部教育を受けることも必要となります。

その成果を次の評価の時に確認することにより、本人の成長度合が明らかになります。

3つ目は、上司と部下が評価結果に関する話合いを行なうことです。

評価は行っているが、その結果を公表せずに運用している会社も多いようです。
評価結果に関する話合いが行なわれていなければ、結果が良くても悪くても評価を受ける側は、「なぜ?」の疑問がつきまとうでしょう。
これが不満として蓄積されます。

評価結果が良かった場合は、ほめ言葉のひとつもかけて、本人のヤル気を向上させる必要もあるでしょうし、悪かった場合は、2つ目に述べたように、教育・訓練と連動させて、次の目標を設定して、改善しなければなりません。
そうするためにも上司が部下に評価結果を説明しなければなりません。
単に説明するだけでなく、育成の観点から部下の能力開発を考えた話合いを行なう必要があります。

以上をまとめると、明らかにされた人材像を目標として設定し、それを達成できるように教育・訓練で支援します。
さらに上司と部下が話合いを持つことにより、これらのことが確実に実行されるようになります。
評価と人の育成を一体的に運用することにより、優秀な人材が育つようになります。

この記事に対するご質問・お問い合わせはこちら
株式会社クリエイション
兵庫県神戸市中央区多聞通4丁目4-13
078-371-8801
お問い合わせ・資料請求