コラム
Column
清水 泰史賃金制度について(2)
前回は賃金水準を決める方法をお話しました。今月は個別賃金を決める2つの原則について述べます。
ひとつ目は公平性の原則です。
社員間の公平性を確保するために、賃金の序列は社員の格付けによって決定されます。
その格付けが等級格付け制度と評価制度です。
等級によって基本給などに差が生じます。
さらに同じ等級であっても能力を評価する能力給や、業績を評価する業績給などを基本給と組み合わせて、個別賃金を決定します。
能力を評価する能力給は、短期的な増減は起こりにくいとされていますが、中長期的に本人の能力に応じて増減します。
それに対して業績給は、短期的に業績の影響を受けて増減します。
以上、格付けによっての組み合わせは、変化する要素が多様な方が望ましいと思います。それによって偏りを少なくし、公平な分配に配慮することが可能となります。
ふたつ目は競争性の原則です。
前回に自社の水準を決める際、同業他社の実態を参考にすることを述べました。
これは人材を確保しようとすれば同業他社との比較において、競争できる水準を確保するためです。
さらに既存社員の納得性を高めるためにも、外部市場において競争できる水準は確保したいものです。
勤労意欲において仕事そのものが動機づけに影響する割合は高いとされていますが、報酬の水準も少なくとも不満足とならない水準でありたいものです。
そのためには外部市場と競争できる賃金水準を知るべきですし、それを意識して個別賃金を決定すべきだと思います。