Column

清水 泰史

自己評価は必要か?

今回は評価制度の自己評価に関する話をします。

皆さんの組織では被評価者に自己評価をさせていますか。
自己評価とは評価を自分自身で行なうことであり、多くの組織で採用されていると思いますが、何のために自己評価するのでしょうか。
以下それについて述べます。

目的はふたつあると思われます。

ひとつ目は評価内容の再確認です。
評価するためには内容を知る必要があります。評価されるだけでなく、どのような内容で評価されているのかを認識する必要から、自分自身で評価するのです。

ふたつ目は自分の評価と上司の評価の差を知ることです。
自己評価と上司評価が同じ場合は問題ありませんが、異なる場合は、なぜ異なるかの理由を明らかにする必要があります。
自分ができていると思った項目が、上司にできていないと判断された場合、その理由を明らかにしない限り本人の気づきもないし、差はいつまでたってもそのままです。
すなわち互いの認識の差を明らかにすることです。

では実際の例から運用上の問題点を考えて見ましょう。

ひとつ目の問題は、上司評価が部下の自己評価の影響を受けることです。
部下の自己評価の後に上司が評価する場合、その印象が影響することは否定できません。

ふたつ目の問題は、上司が部下との評価差をうまく説明できないことです。
評価差の事実を前にして、それを説明できるだけの事実や根拠を説明できないのです。ゆえに上司は部下に対して評価結果のフィードバックを避けようとするのです。

上記ふたつの問題の対策を述べます。

ひとつ目は、部下の評価と上司の評価を別々に行ない、結果を照合する方法です。
上司は部下の自己評価を見ずに行なった方が、公平に評価できます。評価結果が異なることを知るには、別々に評価するほうが、合理的です。

ふたつ目は、評価者が十分説明できるだけの根拠や事実を集めることが正論ですが、それを実施できないのが、現実だと思います。
ではどうすれば良いのでしょうか?

少し飛躍するかもしれませんが、評価期間を短くすればどうでしょうか。
通常であれば評価期間を6ヶ月にされている組織が多いと思います。例えば評価期間をその半分の3ヶ月にした場合、評価者の負担は軽減するでしょうし、評価時の記憶もより確かなものになります。

確かに6ヶ月の評価期間は評価する側から見れば長いような気がします。
ゆえに評価者の偏向として、評価直前の記憶だけに頼り、6ヶ月前の行動や実績が評価されにくい問題も生じるのです。
日頃の行動を詳細に記録できれば問題にならないのでしょうが、それができないのであれば評価期間を短くすることを検討されたらいかがでしょうか?

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