コラム
Column
清水 泰史評価者研修のすすめ
この時期に昨年度の下期の評価もしくは年間を通じた評価を行なわれている企業も多いかと思います。
その事前準備として先月(3月)はいくつかの企業様で評価者研修を行なわせていただきました。
本日はその内容の一部をご紹介します。
評価者研修は評価者自身が自分の評価癖や、評価の甘辛度合を知ることが目的だと思います。
それらを知るためには模擬評価が有効的な手法です。
4〜5人のグループに分かれ、映像による評価用のドラマを鑑賞します。
見る前にはドラマで設定された会社の評価項目や評価基準を理解します。
自社と同じような項目もあるでしょうし、異なった項目もあると思います。
自社の項目とは異なる方が、応用を働かせなくてはならないので、効果は高いように思えます。
評価項目と基準が確実に理解されないと、模擬評価の映像を見てもひらめきが少ないでしょう。
正確な評価が行なえる人は、評価をする前準備もきちんと行なっているのです。
これは実際の評価も同じことが言えます。
評価者の力量差は情報の処理能力だと思われます。
まずは情報を集める能力。教育用の映像ですので、随所に問題が隠されています。
同じ映像を見ていても、問題点に気づく人とそうだない人の差が生じます。
それが観察力です。
次にその問題点をどの評価項目として認識するかが、ポイントとなります。
例えば、ある人の行動を「積極性」ととらえる場合や、「協調性」としてとらえる場合があります。
私が参加者に行なう助言は、迷ったときは評価項目の定義に戻ることです。
すなわち、最初に定義される「協調性」と「積極性」の内容を再度確認し、その差異をはっきりと認識しなければ判断に迷うのです。
多くの参加者がこの点に気づきます。
その上で、その行動はどちらで評価することが適切なのかを判断しなければなりません。
模擬評価では映像を見たあと、同じグループで評価結果に関する討論を行ないます。
その時に自分の評価が相対的に甘口なのか、辛口なのかに気づくでしょう。
他者の評価結果は見るべき視点の参考になります。
評価判定をした判断材料を一緒に発表してもらうので、その材料を知ることが参考になります。
何度か同じような模擬評価を体験していただくと、自分の甘辛度合や評価癖に気づき、それをセルフコントロールするようになるのです。
このような点から評価者研修をお勧めしたいと思います。