コラム
Column
清水 泰史給与と賞与
この時期に給与改定を行なう組織も多い。
昇給の中身は生活的要素が強いものと、成果的要素が強いものがある。
前者の代表的なものが年齢給で、年齢が加算されればそれに応じて増額される。
後者は前年度の実績に応じて増額されるもので、場合によっては減額される場合もある。
さらに給与支給のベースとなるものに等級格付け制度が存在する。
従業員全体を能力や役割などの基準をもとに、いくつかに分類し、給与水準に差をつける制度である。
この制度によって個人の努力や成果が報われることになる。すなわち努力や成果によって等級格付けが決定される。格付けが変わることを昇格といわれている。努力や成果の差が影響されないのであれば、ヤル気は生じない。皆が同じように年とともに増額するのであれば、動機づけも働かない。ゆえに給与においてもある程度のインセンティブは必要と考える。
ただし生活のベースとなるのが給与であるから、あまり高低の差があるのも問題である。
それらを考慮して給与水準を決定すべきである。
それに対して賞与はどうすべきであろうか。
もともと福利厚生制度の一環として始まった経緯はあるが、いつしか生活給に組み込まれている。
ローンも賞与併用型が存在するほど一般的となっている。
必ず固定的に支給されるものであれば年間報酬額に組み込めるが、基本的には臨時収入として考えるべきである。
私見としては、賞与は人件費の調整としている。
すなわち、給与はある程度保障すべき要素があるが、賞与は業績によっては支給なしも考えられる。
ただし従業員さんの士気の問題があるので、なしとされる企業は少ない。
しかし経営面から考えれば、それも選択肢として入っていることを、日頃から情報発信すべきだと考える。
逆に収益がでた場合は、それを分配すべきである。
賞与はメリハリのきいた運用を推奨する。