Column

清水 泰史

自分の甘辛度合を知る

ここ数回は評価についての話をしています。今回は評価者の甘辛度合についてお話します。

評価者の甘辛度合はどのようにして判断できるのでしょうか。
評価を点数に換算した評価点があります。絶対評価の視点からは平均点を無理やり中央値に合わせる必要はありません。
しかし甘辛度合を判断するには過去のデータなども合わせ見ると、その傾向は推測されます。

組織の中にいくつかの部門が存在し、部門ごとに評価責任者が異なれば、その甘辛度合が全体の評価に表れます。その結果行われるのが部門間調整です。
平均点の差が組織への貢献度合等と比例していれば、誰もが認める差となるのでしょうが、評価者の甘辛度合の差であれば、議論の対象になるでしょう。
ゆえに評価者自身で甘辛度合の傾向を認識する必要があります。

ではどのようにしてそれを認識すれば良いのでしょうか。

評価者研修で行なうのが、模擬評価です。
仮想の会社での出来事をもとに、模擬の評価を行ないます。その結果を他の参加者と比較して甘辛度合を認識する方法です。

映像で見ることができれば、より理解しやすいと思います。
模擬評価を作成した作者の模範解答があるので、それに対して自分の評価は甘いのか辛いのかを知り、他の参加者と情報交換すれば、理解しやすいでしょう。

この方法以外に実際の現場で行なわれるのは、特定の人を評価する方法です。
前提は互いに同じ程度認識があることです。「○○部の○○さんをどのように評価するか?」というように、評価尺度のすりあわせを行なうやり方です。
何人かの事例ですりあわせを行なえば、甘辛度合がより理解できると思います。

このようにして評価くせのひとつである甘辛度合を理解すれば、公正な評価に近づくと思います。

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