Column

清水 泰史

成果に関する評価

先日評価制度導入の研修講師を行った時のこと、参加者から自分たちの業界は成果の評価ができないため、能力や行動の評価に偏ってしまうとの相談を受けました。
自分の中ではなぜ?という疑問がわき、成果に関する定義を逆に質問しました。

その方は売上高や付加価値に関することを成果としての定義づけとお考えでした。
業界的には産業分類での医療・福祉分野の方であったので、売上を関連づけた評価は望ましくないとお考えでした。

では、売上の増大だけが成果なのでしょうか?
直接売上の増大というキーワードを使わなくとも、サービス品質が向上すれば利用者が増え、売上増大につながります。
また、サービス内容を改善したり、施設の環境を改善したりすれば、顧客満足が増大します。

これらのことも最終的には売上の増大に結びつく要因です。

さらに、サービスを提供される介護職員さんが能力を向上させることにより、サービス品質が良くなることも顧客満足の増大となり、最終的には売上が増大します。

このように考えれば、成果の切り口はあらゆる視点から評価することは可能です。
私の説明に対して質問者は納得されたようでしたが、このような例のように成果に対する見解は様々なようです。

私が考える成果とは、業務を遂行する「能力」と、業務を遂行する「行動」の積だと理解しています。
すなわち能力や行動を起こした結果が成果となるので、成果は応用的な評価要素もしくは総合評価なのです。
ゆえに成果に関する評価ができないことはありえないと考えます。

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