事例・実績
Result
5S5Sによる人づくりの効果〜変化への抵抗がなくなる
「抵抗勢力」って言葉がありますよね?政治の世界でよく使われる言葉ですが、企業でも抵抗勢力はいます。何か新しいことを始めようとすると、必ず反対する人がいます。
反対する人は、自分がこれまで築いてきたもの(自分の存在意義)を失う恐怖や、新しいことにうまく適応できるかという不安から反対するのでしょう。
実は5Sは、このような人の恐怖や不安を和らげ、結果として、変化への抵抗をなくす効果があると私は信じています。
なぜ5Sをすると、変化への抵抗がなくなるのでしょう?それは、5S自体が、職場の小さな変化を促すものだからです。
ずっとそこに置かれていたものを捨てる、道具の置場を変える、表示を見やすくするなど、動きやすいように動線を見直すなど、5Sでは常に職場に変化をもたらします。変化の中で仕事を続けるということは、無意識ではありますが、変化を受け入れながら仕事をする経験を積んでいることになります。
その結果、大きな経営改革などの新しいことをする場合であっても、受け入れる抵抗はぐっと小さくなります。
これは、人間の心理の面からも説明がつきます。人間は、小さな要求を受け入れると、大きな要求も受け入れてしまうという、一貫性の原則にもとづいて行動すると言われています(フット・イン・ザ・ドア・テクニックとも言われます)。
例えば、スーパーで試食をしてしまうと、なんとなく買わなきゃいけないような気持ちになる、というあれですね。
5Sを通じて小さな変化を受け入れている。そういう自分の行動の一貫性を保とうとして、大きな変化も受け入れてしまう、ということです。
人は他人から「一貫性がない」と思われたくないので、大きなものも受け入れざるを得ない気持ちになるのです。
実際、私の知っている会社で、5Sを20年以上継続している会社があります。その会社の社長から話を聞く機会があったのですが、社長いわく、5Sを続けることで得た大きなメリットは、ムダの削減でも、職場の美化でもなく、変化への抵抗がなくなったことだとおっしゃっていました。