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5Sを習慣にするには、どうすればよいか(1)

5Sを習慣にするには、どうすればよいか(1)

この「組織が変わる5S研究所」のホームページを立ち上げて、どのような検索ワードでここにやってくるかを観察しています。
その中でも、「5Sが続かない」というキーワードで、こちらへ来る方が多いことがわかりました。

5Sが続かない、というのは、どこの会社でもよく見られることです。
では、5Sが組織の中で習慣化されるどうしたらよいか、考察したいと思います。

一般的な話ですが、人が何か新しい習慣を身につけようとする場合、過度な努力をすることなく、それが当たり前のようにこなせるようになるまでに、どの程度継続すればよいと思いますか?
もちろん、習慣にしようと思っていることの内容や、自分がそれにどれだけ熱心なのかにもよりますが、当たり前のように継続するまでの日数について、おおまかな目安というのはあるでしょうか?

インターネットで検索してみると、「21日」と「28日」という意見をよく見かけます。実際にはこれらにあまり根拠はありません。
このような説は、1960年代に発行された、外科手術に関する本が由来だと言われることもあります。
マルツという医師が言い出したことですが、義手や義足が体に馴染むのに、平均で21日かかるということに気がつきました。そこから、人間は生活の大きな変化に順応するには21日かかる、ということが主張されるようになったそうです。
あくまでも義手や義足の話なので、その他に応用できるとは限りませんね。

ところが最近(2009年)、この習慣化の問題に関して、”European Journal of Social Psycology”という雑誌に、ある心理学的な研究が公表されました。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのフィリップ・ラリーという人が、96人の参加者を集めて行なった研究です。
参加者は皆、なにかを習慣化したいという動機を持っている人たちでした。(例えば、昼食時にフルーツを食べるとか、毎日15分間ジョギングする等)。参加者は毎日、自分が習慣化したいと思ったことを、どれくらい無意識で(自分に強いることなく、あまり考えこむことなく)実行できたかを答えることになっていました。

その結果、参加者の無意識性と行動に関して、下図のようなカーブを描く関係が明らかになりました。
平均では、無意識に実行できるようになるまでに、66日かかったそうです。

無意識性と行動

グラフからわかることは、初期段階で無意識性がグッと伸び、参加者の習慣化が進むにしたがって、徐々に緩やかな伸びになるということです。
平均は66日ですが、習慣化したい事柄によって、習慣化までの期間が18日から254日とばらつくこともわかっています。
考えれば当たり前のことですが、「コップで毎日水を飲む」といったことは、すみやかに無意識な動作になっていくのに対し、「朝食前に腹筋を毎日50回する」といったことはもっと時間がかかっています。

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