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5S実況!5S活動発表会(その2)
大阪にあるアパレル関係の企業さんの、5S発表会のもようをお伝えする第2回目です。
私の印象に残った3つグループについてお話をします。
第一に、ある女性社員がリーダーを務めたグループのことです。
その女性社員は、5S活動を始めた当初から積極的でした。もともと、当社の他の職場とくらべてもきれいな職場でした。
私が職場巡回をすると、自分が1ヶ月間に行った改善を一つ一つていねいに説明してくださることが印象的でした。
5S活動を始めて半年ほどがたった時、5Sのリーダー同士が集まって、日頃の悩みを話し合う機会を設けました。
中には「部下が5Sをやってくれない」「社長が5Sを率先していない」「忙しいからできない」といったネガティブな声が出る反面、その女性が発言したことを私はとてもよく覚えています。
「私はいつもお客様が工場見学に来られた時に、恥ずかしい思いをしていました。いつも散らかっていて、雑然としているからです。
でも5S活動を始めて、今ならばお客様に来ていただいても恥ずかしくありません」
彼女のこの声に、私はひとかたならぬ5Sにかける意気込みを感じました。
その女性社員が5Sの活動成果を、パワーポイントを使って全社員の前で話をしています。
発表時間が過ぎましたが、どうしても話したいことがあるようで、時間を延長して説明を続けます。
すると突然、彼女の声が震えだしました。目には涙をためて、言葉に詰まるようす。
1年間の活動を振り返り、ご自身が感極まったのでしょう。
まわりを見渡すと、そのような彼女の姿に感じるものがあったのか、目頭を押さえる人もいました。まあ、それは私自身のことなのですが。
彼女は5S活動について、仕事が忙しい中でも一生懸命に自分の役割を全うしてきました。
それが発表会という「他人に認められる場」で、一気に昇華したのだと思います。
その姿を見て「涙を流すほどに活動に入れ込んだのだ」という気持ちが起こり、彼女がどれほどまでに本気で取り組んだのかがわかりました。
その本気が伝わることで、聴く側の心までも揺さぶったのでしょう。