先日お会いした経営者の方から、次のような質問を頂きました。

経営者「この間、５Ｓ活動で有名な会社に見学に行きました。
その見学先では、床に引いてある白線がボロボロでした。５Ｓ活動では、白線を踏んではいけないというルールがあったはずです。
その見学先は、あまり５Ｓ活動のレベルが高くないのでしょうか？」

確かに５Ｓ活動に真剣に取り組む会社には、白線は絶対に踏んではいけないというルールを掲げているところがあります。

しかし、それをやっていないからといって、５Ｓ活動のレベルが低いという訳ではないでしょう。
この経営者さんの言う「レベルが高くないのでしょうか？」という質問に対する私の回答は、「何を目的に５Ｓ活動をするかによる」ということです。

例えば、５Ｓ活動をする目的が「自ら考えて行動する社員を育てる」ということであったらどうでしょうか。
いくら白線を踏まないことが一般的なルールであるとはいえ、それを「一般的にはこうだから」と押し付けることは、「自ら考えて行動する」という目的には沿いません。

一般的な５Ｓのテクニックやルールが導入されているからといって、それがその会社にとってよい５Ｓであるとは限らないのです。大切なことは、何のために当社では５Ｓをやるかという目的がはっきりしていて、その目的に沿った５Ｓ活動になっていることです。